Nroom
HOUSE, WORKSNroom
category:HOUSE
year:2015
site:Tokyo,Japan
Photo:Kaku Ohtaki
Nroomは東京都内のマンションリノベーションです。このリノベーションには、1)住居としての基本的な機能を充実させること、2)日常生活をすっきりと美しく行えるようにすること、という2つの目的がありました。
目的1)の具体的項目は、十分な収納を備えること、家事動線をまとめること、そして子育てをしながら家事を効率よくこなせる場所とすることでした。
キッチンからリビングダイニングにかけて、一つの要素として連続する収納棚を設置しました。これにより空間全体に一体感を与えるとともに十分な収納量を確保しました。また棚全体の圧迫感を軽減させるために、棚を3段の構成とし、上段は存在感の少ない明るい色調に、中段はくり抜いて広がりを与え、下段は暗い色調として空間の重心を下げると共に、落着きを創り出しました。対面する壁の収納の一部は可動して机になり、子どもたちはそこで勉強をします。母親はキッチンで家事をしながらそれを見守ることができます。
次にキッチンのつくり方として、主要なキッチンの他にバックキッチンを設けています。これにより、キッチンまわりの雑多なものを隠し、目的2)に回答しました。冷蔵庫以外のキッチン家電はすべてこのバックキッチンに納めています。またバックキッチンを介して玄関から直接アクセスできる動線を確保しています。
空間全体の印象はクライアントの要望により、グレートーンの硬い印象であったため、一部にそれと相反する柔らかい印象を与えるものを挿入しバランスを取りたいと考えました。そこで「ゆらめく水面」を想起させる照明器具を、アクリルの塊の下面に水面のような有機的なライン削り込むことで制作し、ダイニングテーブルの上に設置しました。